ダーウィン バラマンディー&サラトガ フィッシングツアー釣行記   

2011年 5月4日〜7日   島根県在住 木村誠治。
 


3回目のオーストラリア=クロさんフィッシングツアー

昨年から通算して私にとって3回目となる、クロさんフィッシングツアーの「ダーウィンでバラマンディとサラトガを釣る編」について報告します。

クロさんのHPの釣行記にもある通り、昨年(2010年)のゴールデンウィークに初めてオーストラリアにマーレイコッドフィッシングツアーに参加したのがきっかけでした。その半年後、私は再びマーレイコッドを釣りにオーストラリアに来ていました。初めて来たオーストラリアとマーレイコッドとクロさんの全てにほれ込んでしまったからです。(すみません、2回目のマーレイコッドの釣行記はその後仕事が仕事が忙しかったりしたので書いていません。もちろん2回目もすごい釣果だったし、1回目では経験できなかったすごい場所にも連れて行ってもらいましたがここでは省略させて頂きます。)

そしてその2回目の時既にその初日から「次はバラマンディだね」とクロさんと約束をしていました。
そして半年経ち2011年5月4日未明、私はダーウィン空港に降り立ちました。ここまで、出雲→羽田、成田→シンガポール→ダーウィンと飛行機を乗り継ぎ、ようやく着きました。
しかし、疲れどころか心の高鳴りは抑えきれず、早速クロさんと合流し、まずは宿泊場所へ車を走らせました。宿泊場所に着くとすぐに釣りの支度を行った。後述するが黒さんに買っておいてもあったPEラインを巻いたりしたので少し時間がかかってしまいました。そしていよいよバラマンディーの待つポイントへ4WD車で移動。車中でのクロさんの説明によると、今季はオーストラリアも異常気象で、過去にないほどの雨量が記録され、いたるところ道が冠水しており、今回行くポイントへの道(未舗装路)も実はその日が実質オープン初日とのこと。そういえば向かう道の端には水たまりが多数目撃でき、ワニがいてもおかしくない雰囲気。(実は、その前の週までいつその道がオープンになるかまだ未定だったのでクロさんはかなり、やきもきしていたらしいです。)

そんなこんなで、ボートランプに到着。普段は良い場所を抑えるため釣り人達で車の競争もあるくらい過熱すると聞く現場も、今日だけは貸し切り状態。早速ボートに乗り込み、出発です。

ここで少し、タックルの紹介をします。
1. ボーマーロングAのジャーキング
・ずばり王道。しかも、サイズは15Aでカラーは黒金。現地ではゴールドボマーと呼ばれ、絶対に外せない一本。
・上記に類似した、国内外のフロートタイプの金ぴかミノーもごっそり持参。
・フックとスプリットリングは全て丈夫なものに要交換。ちなみにフックは、カルティバのST−56#4または、がまかつのトレブルRB−H#4を使用。事前準備で200個程度交換作業を行い、もはや職人の域に達したかも(笑)。ちなみに、国産ミノーでトリプルフック仕様の場合、全てにフックを着けると、フローティングがシンキングになってしまったので、ツーフック仕様にしたら具合が良かった。
・使用するロッドは、短めのヘビーロッド。今回は、シマノのワールドシャウラ15103R−2とDEPSのコンストリクターを用意。
ベイトリールにPE50ポンドを巻くが、その径の細さからバークレイのウィップラッシュに限定される(クロさん断言)。国内ではほとんどお目にかかれないので、事前にクロさんに準備してもらった。リーダーはフロロ50ポンド(メーカー何でもOK)。そしてスナップを装着。今回は、がまかつの音速パワースナップLを使ったが交換がラクだったのでオススメ。

2. ポッパーやフロッグのトップ
・バラマンディは主に朝夕で、日中、現地でサラトガと呼ばれるアロワナを釣るための手段として使用。
・フック交換やラインなどは上記に準じる。

3. 苦し紛れ(?)のスイムジグ
・前回のツアーで、日中でもバラに効果があった、とクロさんに聞いて準備。
・マッディな水質を考慮し、シマノの巻きラバ、イマカツのチャターベイト、ケイテックのスイムジグ等を準備。トレーラーは5インチ程度のシャッドテールワーム。


異常気象による増水!果たして釣れるのか?

ということで初日は飛行機が遅れたこともあり午前8時過ぎに出発。
早速、移動途中に遊泳中のワニを発見。野生のヤツは初めて見たのでちょっと興奮。クロさんはたくさんいるよ、と言っていましたが。ツアー中は2匹しか拝めませんでした。これも増水の影響で陸地が少なかったせいだそうです。
まず最初のポイントとして、過去の実績場所に到着しましたが、クロさんによると増水によりずいぶん風景が変わったらしい。ただ、私は知る由もないので、ひたすらキャストしてはジャーク。現地ツアーなどではトローリング主体で、キャストはおまけ程度らしい。(この辺はマーレーコッドも同じ)日本人である私はもちろんキャスティングオンリーで攻めたい。とは言ってもさすがに2時間もノーバイトノーフィッシュだと集中力も途切れがち。また日中は風がないととても暑い。(こちらの気候は、「暑い」か「すごく暑い」しかないそうです)
クロさんは普段とは違う景色のポイントに少々困惑気味だが、様々なポイントの様子を探っているようだ。
ようやくバイト!しかし左右へ勢いよく抵抗を見せながら上がってきたのは、こちらでターポンと呼ばれている、銀ピカの平べったい魚。大きさは30から40センチ程度で、ニシンにそっくりだ。
 

 



私の釣り人生にバラマンディーとサラトガという魚が刻まれた瞬間
 

その後はお昼を過ぎ、うんともすんとも言わないので、次なるポイントへ移動。
クロさん取って置きのポイントがあるそうだ。それは細い水路を抜けた奥にある楽園の様な場所で前回も実績があるとのこと。
平時、水路は狭く浅いのでボートの進入に気を使うらしいが、増水のお陰でラクラク到着。楽園と呼ぶにふさわしく我々以外本当に誰もいない。クロさんは盛んにハスの葉が浮いたポイントを勧める。どうも日中は葉の陰にサラトガがついているらしい。
ということで、ポッパーを葉の近くへキャスト。で、チャプッとワンアクション。ドバン!いきなり水柱バイト。すっかり油断してました。ただラッキーなことに、これが遅あわせとなり、完全に乗った様子。パワフルな引きをしばし楽しみ、上がってきたのはアベレージサイズ、65センチのサラトガ。宝石のような模様が美しい。

その後も釣り進むと、ジャーク中にズドン!さっきのサラトガよりパワフル。これは!!!ジャンプしながら姿を見せたのは念願のバラマンディー!しばしファイトの後、無事取り込んだのは58センチのアベレージサイズだが、バラマンディと初めてのご対面。黄金の目も麗しくしばし見とれる。振り返るとクロさんもほっとしたようす。実は朝一のはじめの実績ポイントやその後の場所で無反応だったので心配していたようだ。その後はなごんだ雰囲気の中、夕方というタイミングもあってか、好調に釣れ続き、計6本のアベレージサイズののバラとご対面ができました。

そしてこの日は前夜からお互いにほとんど寝ていないこともあり、早めに切り上げることとしました。
コテージに戻ると、クロさんがあらかじめ冷蔵庫で冷やしておいてくれたビールで乾杯。いやーうまい!実にうまい!で、しばし釣りの余韻に浸った後シャワーを浴びて、宿泊所と同じの敷地にある売店兼レストランで夕食。
ここまで懐中電灯で道を照らしながら歩いていくのだがあたりにはカンガルーなど野生の動物がいっぱい。カエルもたくさんいました。レストランでは、チキンの何とかをオーダーしたが、これがボリューム満点。一番下にフライドポテトをびっしり敷き詰め、サラダがてんこ盛り、さらにわらじのような鶏肉がドン。一皿にありえないほどのキングサイズ。最後の体力を振り絞り完食しました。
部屋に戻って少し翌日の準備をした後は疲れていたのですとんと眠りに落ちぐっすりと寝ました。
 



楽しすぎる!バラマンディー&サラトガ フィッシング

二日目は、未だ暗いうちから宿を出ました。薄暗い中ボートランプを出発し、一路前日の水路の奥へ。
ポイントに着き、キャストし始めると美しい朝焼けと共に少しづつ明るくなってきました。キャストを始めると早々にミノーにバイト!凄い引き!やや強引にランディングしたが、メジャーを当てると76センチ!。クロさんによれば、76センチもたいしたものだがこの辺りで80センチオーバーならかなり自慢できるらしい。リリース後も、連続ヒット。とても楽しい、楽しすぎる! たくさん釣れ始めたのでここでクロさん、釣果記録をつけはじめる。記録をとりだしたとたん釣れなくなる、というジンクスは良くあることで、この後10時半くらいに57センチを追加した後はしばらく沈黙が続いた。もう朝のいい時間は終わったのか?そこでポッパー投げたり様々なスイムジグを駆使したり、手を変え品を変えトライするも、返事は返ってこない。しばし、昼食タイム&木陰で昼寝。今日も暑いが風があり、日陰はすこぶる快適でした。

休憩終了後、気力が戻りジャークを繰り返していると程なくバイト!45センチのサラトガを皮切りに、ここからはコンスタントに釣れ続く。この中には、今回最長の82センチサラトガを含まれ、結局ストップフィッシングの18:30までバラ4本、サラトガ3本を追加した。ラストに晩御飯用のバラを狙った。夕方5時以降に釣れた魚は持って帰って晩御飯にするのだそうだ。 しかし晩ゴハン、晩ゴハンと唱えたのが魚にも伝わってしまったようで、なかなか釣れない。最後の最後でようやくヒットした、55センチを大慌てでネットインさせる始末だった。

初日は釣り上げるとキューキューと鳴く、キュートなナマズばかり釣っていたクロさんも今日はバラや80センチもあるサラトガを仕留め、私も大満足の充実した一日だった。
今日のディナーはバラのソテー。白身でとってもジューシー。うまいを連発し食したが、半身を二人で分けてはみたものの、結構なボリューム。初日同様、再度の体力を振り絞って完食した。

三日目も前日のように夜明け前から出発し、まずは例の水路へ。
昨日のこともあり、朝まずめを相当期待していたが、あまり芳しくない。
そこで昨日までほとんど無視してきた対岸を攻めてみることにしてみた。こちらは全体的に浅く、障害物も少ないため大した期待をしていなかったが、これがとんでもないことに。7:20amにヒットした52センチのバラが爆釣劇場の開幕だった。
ジャークするミノーを複数で襲ってくる場面を目撃したり、ワンキャストワンヒット状態が続くなど活性がすこぶる高く、しばし興奮状態が続く。30センチ程度のベイビーも混じったが、釣りも釣ったり10:30までに12本のバラを仕留めた。

いい調子に釣れていたのでもう少し続ければもっと数は稼げたと思うが、既に満足感に浸り、おなかも空いてきたので早めの昼食をお願いした。さらにおなかがいっぱいになると睡魔に襲われ昼寝もさせてもらった。約1時間後、昼寝から起きて同じポイントでキャストを繰り返したが反応はなくなっていた。昼食前に早くやめ過ぎたことを少し後悔。そしてこの日は無風状態で「すごく暑い日」にあたってしまい。午後の釣りは相当厳しいものとなった。その後少し遠出をするなど工夫はしたものの、夕方に小バラ2本を追加した程度で、期待するほどの爆発は起こらなかった。

今日はずいぶん遅くまで粘ったせいか、コテージに着くと周囲は真っ暗。カンガルーがあちこちで跳ねている。この日は最後の晩餐ということで、Tボーンステーキでもと思っていたが、オーダーはよす8時でストップ。(早すぎっ!)部屋でビールを飲み過ぎてレストランに来たのが8時を15分だけ過ぎてしまったのだ。止む無くまだやっていたテイクアウトメニューからチキン&チップを選び、コテージでクロさんと食す。楽しい談笑の時間を過ごしたがクロさんに事前に仕入れてもらっていた美味しいオーストラリアワインを2本飲んだところで、記憶に霧がかかってしまった。

成果として、ここまで仕留めたバラは27本。数は釣った。残るは最終日にビッグワンを仕留めるのみ。
 



ビッグワンと出会った! が。。。

最終日は気合いとともに更に30分早起き。まだ暗いうちにボートに乗り込む。この日はオープン最初の土曜日ということもあり、釣り人たちの車やボートでボートランプにも活気が溢れる。私たちはサイズ狙いに絞り、初日の実績場所へロングドライブ。気合は入っているが、初日のこともありやや半信半疑でジャークを繰り返す。後から来た地元の人達のボートは僕達が攻めているポイントには見向きもしないでどんどん更に奥に飛ばしていく。クロさんによるとこの奥にもいくつかポイントがあるそうだ。でもこのポイントは川の本流の中でも物凄くいいポイントでとにかく今まで実績があるとのこと。私はクロさんの言葉を信じてキャストし続けるしかない。しばらくするとファーストストライクが訪れた。ズドン!というこれまでにない重いバイト。間もなく強烈なトルクで暴れ周り、ワールドシャウラもバットまで絞りこまれた。そしてジャンプ!80センチをはるかに越える巨体を水面に現した。これをみてクロさん大興奮。「やったー!バンザーイ!」と後ろで大声を張り上げ続けている。相手は2回目の突進を開始し、こっちはそれどころでない。やがてクロさんがネットを構えるボート方向へ誘導したが、近くまで来て再度突進。今度は沖方向へ進路を変え、暴走をはじめた。抵抗は全く弱まる気配もなく、強烈な突進にフルロックしたはずのドラグからズルズルとラインが引き出される。堪えに耐えていると、フッとテンションが消えた。「バレた!」私が言うと、クロさん「えーーっ!!なんで〜??」

二人ともぐったりとしばし放心状態。ルアーを回収するとなんとフックが折れていた。日本ではヒラスズキや青物の突進にも堪える丈夫なフック(ST-56)もモンスターバラの前では形無し。それにしても強烈な引きだった。私の釣り人生の中でも1番か2番の引きだったことは間違いない。騒ぎすぎでクロさんは声も枯れて私以上にがっくりしている。それでも気を取り直し再びキャスト開始。その後の反応も悪くなく、上がってくるのは60センチオーバーが大半。ここは全体的にサイズが大きい。
そしてまたズドン!と重いバイトが訪れた。強烈な一度目の突進を堪えようとした瞬間、痛恨のラインブレイク!リーダーや結合部ではなく、メインラインからぶち切られた。

まだモンスターはいる。そう確信し、何度となく同じラインを流すが今日は風が強く、あっという間にポイントからずれてしまう。この日は10時あがりのため、結局6本をものにし、後ろ髪を引かれる思いで帰路に着いた。ボートランプ近くまで来たところでボート停止。宿屋のオヤジ曰く「2分でいいから投げてみろ」ポイントで最後のトライ。何投かしているうちに、やや重いバイト。ラストのバラと思ったが、あがってきたのはキュートなナマズちゃんでした。キューキュー(ナマズの鳴き声)。
ボートランプ到着後、地元のオージー夫婦と言葉を交わした。私が「日本から来た。」と告げると「ツナミ大丈夫だったか?」と心配された。あぁ、こんなところにまで日本のニュースが伝わっているとは。お気遣いありがとう。
 



凄い釣果!最高の思い出。

こうして長くて短い4日間の釣行が終わりました。
最後の最後にモンスターを取り逃がす、という忘れ物はあるにせよ、お初にしては余りあるこの成果。他では見ることの出来ない素晴らしい大自然に囲まれた、現地のロケーションも最高。間違いなくここは、釣りバカロマンにどっぷりと浸かれるところです。 今回の釣果は実釣3日半でバラマンディーは最高が76cmで、私が34本、(控え目に?キャストしていたクロさんの数も入れると合計40本以上)、サラトガが最高82cm、その他、ターポンやナマズ、細長い魚?など多数。(後日談ですが、バラマンディーをこんなに釣ったのは私たちくらいだったとのこと、地元の釣りツアーはターポンやナマズばっかりだったそうです。)と、楽しいことばかりの4日間でしたが、気になることがないことはない。

以下私が気のついた注意点です。
その1.日中、風が止むと特にお日様の下では「とても暑い」→覚悟しておけば良い。日陰は案外涼しいので昼寝をして体力を温存すべし。
その2.雨季の直後だったせいか、蚊がたくさんいます(特に夕方)。ボートランプに帰着すると蚊に囲まれ、防虫スプレー(クロさんが用意してくれていた)をまかないと大変な目に遭います。→但し、一箇所当たりは日本より痒くない。
その3.場所が場所なので贅沢は言えませんが、食事が単調。朝と昼はサンドイッチ。クロさんが気を利かせてフルーツなどを用意してくれたのは嬉しかった。晩は肉、ポテト、生野菜の組み合わせ。(味付けはほぼ一緒) →但し、食欲は確実に満たされます。釣ったバラマンディーを食べられるのもとても嬉しいし、ビールやワインは最高にうまい。

以上、このような些細なことさえクリアすれば、きっと楽しい思い出が作れることでしょう。クロさんが常に一緒だから英語が話せなくても全然問題なし。熱い釣り人魂のほか、ある程度の時間とお金が準備できれば、迷わずクロさんツアーを体験すべしと断言できます。本当にこの興奮、くせになります。これをお読みの皆様も是非行ってみてください。この感動はプライスレスです(笑)。私も取り逃がしたモンスター級のバラマンディーに再び挑戦する為に絶対また行きたいと思っています。その時はクロさん、また宜しくお願い致します。
 


 




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