『2回目のダーウィン バラマンディー&サラトガ釣行   島根県  木村誠治』
 
2012年5月1日〜4日
70オーバーも含めて数はたくさん釣ったし、大満足の釣行となりました。 
 

2012年1月、久しぶりにクロさんからのメールが届きました。
「今年のゴールデンウィーク、どうするんですか?」

もちろん今年もオーストラリアへ行くつもりでしたので、カレンダーを確認したら、今年は9連休!
ただ、地元の磯釣りも良い時期なので、その辺を勘案し、4月28、29日は国内釣行、30日から
5月5日までをダーウィン釣行に決めました。

釣りバカにとって、まさにゴールデンウィーク!ということで、4月30日に日本を発ち、翌日の
5月1日午前5時、私は1年ぶりに再びダーウィン空港に降り立ちました。 途中、マニラ空港での
乗り換えでちょっとトラぶったものの、ダーウィン空港の到着ゲートで
クロさんの顔を見たら一気に緊張が緩みました。

思い起こせば、私にとって初めての海外釣行が一昨年のマーレイコッド釣行でした。
その年は2回もオーストラリアに行き、どちらもクロさんにお世話になり、そのクロさんの薦めで
去年のGW、ダーウィンにバラマンディーとサラトガを釣りに来て、新しいオーストラリアの釣りを
十分に堪能しました。ただ、最終日に大物にフックを折られてしまった事だけが心残りだった
こともあり、今回リベンジすることとしました。
 
 

 

今回、前回の教訓として、タックルを強化しました。ロッドは、ツララという怪魚専門メーカーの
ピメンタというヘビーアクションのロッドを準備しました。本当は、もうワンランクヘビーな
アベントゥーラというロッドも手配したのですが、諸事情により今回は間に合いませんでした。
また、リールは、デリバリされたばかりのアンタレスHG。アベントゥーラ用にアブのビッグ
シューターも準備したのですが、相方不在で今回は出番なしでした。
 
ルアーは前回で確信を得たので、かなり絞り込みました。基本はゴールデンボマー。
15Aを中心に、16Aやジョイントなどゴールデンボマーだけで20個くらいを持参。あとは
フロッグを少々とゴールデンボマーに類似した、コットンコーデルのレッドフィンCO9が気に
なったのでコイツも少々持参、カラーはもちろんゴールドです。(後にこのレッドフィンが
活躍します)また、フックは前回、オーナーST55で折られたので、ワンランクヘビーな
ST66にし、全てのルアーに装着しました。
   

 

1日目  到着日

さて、空港からの移動中はクロさんとの会話もそこそこに、これから始まる戦いのため
に体力を温存すべく激しく爆睡させて頂きましたが、眠りから覚めると、なつかしいロッジ
に到着していました。(カンガルーのお出迎えつき)そして、早速準備をし、即、釣りに
出発しました。
 
ボートランプに到着したのは8時半くらいでした。朝の釣れる時間帯を大切にしたかったので、
近場のポイントから釣りを始めると、幸先良く、いきなり68cmのバラマンディーがヒット!! 
その後も50cm前後が続いき、活性の良さが伝わってきました。クロさんも調子よく釣っていて、
朝の数時間で合計15本くらいは上がったでしょうか。次々に釣れるのでもう既にこの時点で数を
数えるのをやめてしまいました。

 

 


その後、今回の釣行プランを組み立てるため、全体のコンディションを見ようということになり
、あちこちボートを走らせました。去年大物をばらしたポイントにも行ってみました。40〜50cm
くらいのバラがぽつぽつと釣れるに止まりました。やはりこのポイントに魚が集まっているようで
すが、大物の影は見えません。

太陽が完全に上がってしまったからなのか?去年の様に朝一に来れば釣れるのか?
その答えは後で分かります。。。
  

 

一通りボートで見て回った後、最後にまたボートランプに近い場所に戻り数本バラを釣って
から、初日ということで早めに切り上げることとしました。ロッジに戻るとクロさんが用意してくれ
ていた冷たいビールを飲み、シャワーを浴びました。質素なロッジですが、冷蔵庫が大きくビール
もたくさん冷やせます。クーラーもガンガン効くし、小さなテレビもあってちゃんと映る。
(英語なので何言っているか分かりませんが)
ちょっとシャワールームが狭いことを除けば、釣りに来て泊るには十分です。
 
シャワーが終わってさらにビールを飲んでいると隣の部屋からクロさんがやって来ました。
さらにつまみと一緒にビールを飲みましたが、ここで時間を費やしてしまうとロッジの食堂が
閉まってしまうので、早々に食事に行くことに。食堂のメニューと値段は去年と何も変わって
いません。ここ数年変わっていないらしい。。。働いている人も見覚えある人ばかりでした。
この日のディナーは、フィッシャーマンズ バスケットという、海産物のフライが中心のものを
オーダーしました。相変わらずのボリュームで、少しだけクロさんに手伝ってもらいましたが、
何とか完食。クロさんに「食が細い」と言われてしまいましたが、国内では人並み以上に食べ
てます。オージーには完敗です。
 
  

 

2日目

翌日は、朝一から今迄に行ったことがないポイントへ行こうということになりました。
少し距離があり、クロさんも大物が釣れるという話は聞いていたそうですがまだ行った
ことがない場所。今までは他のポイントで十分に大物が釣れていたので行く必要がなか
ったのだそうです。

今回は私が2度目ということもあり、ちょっと冒険して他の場所へも
行ってみようということになりました。しかし、そのポイントに行く途中の水路に入った
とたん、かなり濁りがきつくなってきて、やや不安になりました。ポイントに到着して
キャストを始めると、アベレージサイズがそこそこ釣れ、場所によっては入れ食いの様に
釣れたのですが、残念ながら大物の気配はありませんでした。私が急にトイレに行きたく
なったのを機会にそのポイントを離れました。
 
 

 

 
その後は色々とポイントを移動し、キャストを続けましたが、小物か外道のターポンや
ダツの様な魚しか釣れず、結局前日に良かった場所に戻ることとしました。ここでは他
の場所よりも濁りがなく、順調に釣れましたが、お腹がすいたので早めのランチをして、
そのままボートの中で横になり昼寝をすることとしました。昼寝をしていると、たくさん
のツアーのボートが僕たちの寝ている横でトローリングをしていました。「他がよっぽど
釣れないのかな。」クロさんがつぶやきました。

確かに前回は他がよかったのでこの場所では他のボートはほとんど見ることはありま
せんでした。しかし、オージーのツアーボートは何度も何度も飽きもせずによくトロー
リングをしています。クロさんいわく「彼らは、キャスティグは時間の無駄だと思って
いるんだよ」とのこと。クロさんも過去、散々現地ガイドと釣りに行ったけど、オージ
ーが相乗りになったりするとトローリングが中心になってしまい、キャスティングは
させてくれないことが多かったそうです。
 
昼寝から目覚めるころにポツポツと雨が降ってきたました。クロさんいわく
「乾季に雨が降る。こんなことは初めて」だそうです。はじめのうちは、この雨が釣り
にどんな影響を与えるのかと考えましたが、あまり関係はありませんでした。この日は
ずいぶん遅くまで釣りをしました。やりきった感に浸りながら、ボートハウスへ引き上
げる途中、凄くきれいな夕焼けを見ることが出来ました。まるで空が燃えているような
素晴らしい景色でした。ちなみに、この日のディナーの特別メニューはカレーライスで
した。オーストラリアに来て、初めてご飯メニューを見ました。既に日本食が恋しくな
っていた(早っ)ので、喜んで注文しましたが、お米はぱさぱさで、ルーもコクという
か味気ないもので、日本のカレーライスとは全く違っていました。
  

 

 

3日目

この日は、朝一で去年私が大物を逃したポイントに行ってみました。初日は、日中の釣
りでアベレージサイズがちょこちょこと出るに留まっており、朝一に期待しましたが、
大物の気配はありませんでした。ただ、昨日の雨のせいかツアーのボートも見えず、
日中も雲が多く釣りやすい気候で、終日バラマンディーの活性自体は高い日となり
ました。ここで、ルアー操作について触れてみます。昨年は、ただひたすらジャーキン
グしてドカン、という感じで釣っていましたが、今年はジャークしてストップ、フラ
フラっとルアーが浮かび上がる際にヒットが多いことに気がつきました。

このアクションを行うには、重いフックをつけてもフローティングする強い浮力が必要で、
ゴールデンボマーも良かったのですが、先にあげましたコットンコーデルのレッドフィン
は更に浮力が強く、高いアピールをしてくれ、今回のMVPルアーでした。フロッグも
同様のアクションを行うことが有効で、この日も日中、フロッグ(DEPSの
スリザーク)を引いて、ウイードの切れ目でダイブ、ストップ。水面へ浮かび上がる
瞬間、川底から大口開けたバラがフロッグに迫ってきました。

ここの場所は水質がクリアなので丸見え!しっかり飲み込んだ状態を確認し、
フッキングをしっかり行いました。ロッドはこれまでで最大の曲がり方をしていますが、
まだ十分に余力があり、ぐいぐい寄せてあげると、今ツアー最大級の魚をゲット、
76cmでした。夕方になり、晩御飯に最適な70cmオーバーのバラを釣ったので、これを
キープ。クロさんが綺麗に魚を処理してロッジのレストランに持ち込み、
美味しくいただきました。
 

 


帰り際、フライフィッシングのツアーのボートに出会いました。釣り人は、ハスの花
周辺にフライロッドを振っていました。しばらく眺めてクロさんが「サラトガ釣って
るんですか?」と声をかけた。そのガイドさんは「そうだよ。バラよりサラトガの方
が美しい魚じゃないか?」と答えた。まあ確かに見方によってはそうかもしれない。
私も前回、今回とかなり良い型のサラトガを釣っていますが、私の狙いはあくまでも
バラマンディー。去年逃したモンスターをターゲットとしているので、サラトガが
ヒットしたと分かると、適当なランディングをしていたこともあり、たびたび手元で
バラしていましたが、クロさんから「サラトガもちゃんと釣って下さい。」
と厳しい一言(笑)。
 
 

 


ロッジへ戻り食事をしながら、「明日は最終日、大事な朝一にどこへ行こうか?」話し
合いましたが「やはり、あそこしかない。」結論はほとんど決まっていました。そこは、
ボートランプから比較的近い、しかし迷路のような細い水路を抜けて行かなければなら
ない、初日にいきなり68cmが出たポイントです。この日76cmの今回最大魚を釣った
し、80cmオーバーの大物を逃したのもこの水域で、他のポイントと違うのは明らか
に透明度が高いこと。藻が多い場所が多く、藻の下からルアーをめがけて突き上げる
ようにアタックしてくる魚が見えるのがとてもエキサイティング。最終日の勝負はその
場所に賭けてみることにしました。
  

 

4日目

朝、薄暗いうちからポイントに入りました。毎朝のことですが、ボートで滑るように水面
を走っていくと周りの水鳥が一斉にハスのお花畑の上を舞い飛び、まるでビデオカメラの
コマーシャルのようです。大きな期待をかけた大事な時間ではありましたが、ポイントに
入って釣りを始めると、前日よりも反応はいまいち良くありません。それでもキープキャ
スティング。フロッグ(スリザーク)を巻いて、浮かして、を繰り返していきます。そし
て、ドン!と力強いあたりがついに訪れました。バシャ!魚体が水面を割る。明らかに今
ツアー最大のモンスターがその巨体を現した。続けて、川底へ強引に引き込みます。

強烈な引きに耐えますが、昨年とはロッドの強度と気持ちの余裕が違います。
「獲れる!」

心でつぶやき、モンスターの力をロッドで吸収する。うーん、いい感じ。と満足感に浸
っていましたが、あろうことか、フッと急にテンションがなくなりました。えっ!バレた!?
 なんで???ラインの先には力なくスナップがぶら下がり、ルアーはモンスターに持っ
ていかれたようです。スナップをチェックすると、あろうことか真っ二つに割れていました。
フックでもラインでもなく、ロッドでもない。スナップが鬼門になろうとは!!!
。。。くやしーーーい!!!
 
その後、気を取り直して釣りを再開。クリークの流れ込みでは入れ食いを楽しんで1時間位
の間に20本以上がりました。その後もそこそこ釣れ続け、70オーバーも何本か交じった
りと最後の釣りも十分に楽しみ、ストップフィッシングとなりました。
 
この日は夜中過ぎにダーウィン空港から帰国しなければならないので、少し早めに切り上げ、
シャワーを浴び、ダーウィン空港のホテルのレストランでおいしいお食事を頂き、今回の4日
間の釣行の打ち上げをしました。
 
こうして振り返ると、今回もまた最後に大物をバラして少し後悔の残る結果となってしまい
ましたが、70オーバーも含めて数はたくさん釣ったし(4日間でバラマンディーはクロさん
と2人で合計100本近く上がりました。)大満足の釣行となりました。2度目の場所という
こともありますが、クロさんのお陰で本当にゆったりと楽しめました。帰国してからは、
日常に戻り、仕事をこなし、休日には磯釣り。これはこれで充実していますが、海外の
未知への憧れがまた高まってきてしまいました。

さて、次はどこへ行こうかな。クロさん、良いところがありましたら、
一緒に連れて行って下さい。

  

 

 TOP