『マーレイコッド釣行記      島根県  木村誠治』

2010年4月30日〜5月2日
 
いずれにしろまた、クロさんと楽しい釣りに行きたいと思います。 木村誠治


私はバス釣りが好きなサンデーアングラーです。今は転勤で島根県に居住し、海釣りを新たな守備範囲に加えてはいますが、まとまった休みには琵琶湖へ行ってバス釣りをしている、やや釣りバカです。

今回の釣行のそもそものきっかけは、縁あってゴールデンウィークにシドニーに行くことから始まりました。どうせなら好きな釣りもついでに、とググってみるとクロさんのHPを見つけてしまい、マーレイコッドツアーにすごく惹かれ、最終的にはこちらがメインのすごく久しぶりの海外旅行となりました。

クロさんには、まず2月に問い合わせのメールを送りましたが、すでに奥村さんのDVDでも有名になっているので、無理かも。。。と半ばあきらめていたのですが、OKの返事が届きました。それから出発するまでの2カ月余り、メールを中心としたやり取りが始まりました。 

今回は20年ぶりの海外旅行で、一人で行くことにやや不安もありましたが、日程が近づくと次第に期待が大きくなり、クロさんからは「シドニー空港からローカルに乗り換えるのがちょっとややこしいよ。」、と注意を受けていましたが、陽気なオージー、英語が話せなくとも何とかなるわい、とお気楽な気持ちで出発しました。行きは、日本の夜出発、翌朝早朝にシドニー着というフライトでしたが、興奮のため一睡もできずシドニーに到着しました。そこからの入国審査や検疫など、ノリでクリアできるはずもなく、意外(?)に真面目なオージーとのやり取りをクリアし、国内線のプロペラ機に乗り継ぎ、何とか約束のアーミデール空港に到着しました。 

空港でのクロさんといえば、外人に負けない体格の良さ(お互い身長180センチ)ですぐに発見でき、また初対面とは思えないくらいにフレンドリーな出迎えを受けました。そして早速、クロさんの愛車に乗り込み一路マーレーコッドが待つアシュフォードへ。。。

まずはファームステイ先のピーターさんへ簡単な挨拶を済ませた後、早速釣りの準備。今回は実質2日半のスケジュールで、奥村さんのDVDを見る限り陸っパリはかなりきつそうなので体力に自信の無い私はカヌーでの釣りをメインに考えていただき(後日談で、クロさんは初日は牧場近くで簡単な陸っぱりをしようかと思ったらしいのですが空港でいきなり私がサンダル履きだったのを発見し、「この人、陸っぱりやる気、全然無し。。。」と思ったそうです。)まずはピーターさんのお隣、ワレンさんの牧場近くの川へカヌーを浮かべ、いよいよ釣り開始です。

 


    奥村さんの影響で、タックルは主にDEPSを中心に揃えてきましたが、川の水色や周りの雰囲気で感じた限りでは、琵琶湖というよりは八郎潟だな、ということで、OSPのタイフーンという日本ではまだ釣った実績のないバカでかいスピナーベイトをひたすら投げ始めました。

キープキャスティング。日本では、厳しいときは一日一回あるかないかのバイトに期待して琵琶湖では一日中投げまくっており、今回も場所が海外に変わろうが、投げ続けることを意識してブーン、ブーンとブレイドをうならせながら投げていました。するとほどなくズシっとした重みとともにロッドが動かなくなりました。琵琶湖の癖でウィードに潜られる前に勝負をつけるべく、グリグリっと早巻きで獲物を船べりまで寄せて、クロさんに用意してもらっていた初めて使用するボガグリップによりキャッチ!初のご対面は割とあっけなく実現しました。初めて見る美しい魚体!コッドと言われるだけあって、ちょっとタラっぽいでっぷりした魚体をしげしげと見入りリリースしようとすると背後からクロさんが、ファーストキャッチだしサイズ測って記念撮影しよう、とのお言葉。そりゃそうだ、ということで、ファーストフィッシュは60センチ手前くらいのカッコいいやつでした!

 


   続けてキャスティングを続けると再び重さが伝わり同サイズを仕留め、初日は終了。

ピーターさんの家でおいしい夕食を済ませ、談笑を楽しもうと思いましたが、前日からほとんど寝ていないクロさんと私はあえなくノックダウン、すぐに就寝してしまいました。翌日は夜明け前に起床!フィッシャーマンズブレックファストということで、朝食もしっかりいただき、いざ昨日と同じワレンさんの家近くの河川へ。

季節は冬に近い秋ということで寒い朝靄が立ち込める状況で2日目のスタートフィッシング。当日はトップで釣りたく、初めからご当地のデプスチャージというトップルアーで攻略を開始しました。ポコポコ。。。規則正しいかわいい音を奏でていると、静寂を破るドカーンという爆裂音が響き、トップ初のマーレー様をキャッチ。途中、カモノハシとご対面したりしながら、ここぞというポイントからは、マーレーの反応が続きました。ただ、技量が追いつかないのか、マーレーがへたくそなのか、バーンとでることは多々あるのですが、キャッチ率は3割程度。それでも夢のような時間が過ぎ、朝の良い時間帯に60センチ前後4匹をキャッチ。ふと時計を見ると未だ8時30分。この後どれだけすごい状況になるのか、と期待しましたが、時計を見るとそれ以降は釣れない、という悪いジンクスは当たるものでヘンに計算をはじめたとたん、アタックが終わってしまいました。結局この日は早めの昼食の休憩後に釣った今回の最大サイズの67cmを含む2匹を追加しました。午後には川岸に黒い物体が、近づいて見るとカンガルーとのご対面。貴重な体験をしました。

振り返れば、自分のブラックバスのレコードは55センチ。レコード超えの大物ばかりを釣っていたことになります。

 


   その夜、ピーターさんのルアー工房を見学しました。実際にルアーの組立を見せていただいた上に、そのルアーをプレゼントしていただきました。次から次と違うモデルを組み立ててはプレゼントとしていただき、3つもいただいてしまいました。クロさん曰く、ひとつ二つはあるが、三つはなかなかない、とおっしゃってしました。ろくに英語も話せずそんなに意思疎通ができていなかったのに、何が気に入ったのでしょうか?マーレーには小さいクランクベイトでしたので、日本に帰ってから使ってみようと思います。 

  ということで、3日目早くも最終日です。

   今日は昨日までの川とは違う場所へ。また上流攻略用に小型のカヌーも準備して万全の構えで臨みます。雰囲気としては、昨日と同じで良い感じですが、デプスチャージには全くアタックがありません。ならばスピナーベイトで、こちらも反応なし。朝方のプライムタイムはなんと0匹。天気が良いのは気持ちいいが、今朝はかなり冷え込んだ模様。これはちょっとヤバいかも。クロさん曰く「前回実績のあった」ポイントではノーバイトでしたが、後半からはスピナーベイトにぼちぼち反応があり一安心。しかし、50センチ程度とサイズアップしません。

後半は上流域へ小型カヌーで潜入開始。こちらのカヌーは、視線が限りなく水面に近い座り位置となり、これでトップにでたらすごいな。。。と思いデプスチャージ投げまくり。上流だけあってロケーションは最高でしたが、全くの無反応。「対岸側の牧場主の乱獲かのせいか?はたまた低温のせいか?」クロさんは首をかしげる、乱獲とは言ってもすべて捕獲することはできるはずもなく、必ずどこかにいるはずと信念を持ってキャスティングを続けていると待望のバイトが。大きくはなかったものの、貴重な一匹をゲットしました。(残念ながらスピナーベイトでした)

 


いよいよ残り時間も少なくなり、このまま上流にいるか、朝の場所に戻るか思案しましたが、朝の場所に戻ることとしました。行きの前回実績ポイントは異常なし。

奥に進み、広くなる手前でアシの手前にスピナーベイトをキャストしていたらズシっと反応が!この日最大級、60クラスのコッドを見事キャッチ!

 


   その後 午前中に比較的反応があった場所で、クロさんはピーターさんの友人にもらったと言う2オンスのツインブレードのスピナーベイトでグッドサイズの魚を釣っていましたが、私には何度か反応があったにもかかわらず結局ノーフィッシュ。

   最後にもう1本釣ってこのツアーを終わらせたい、と私以上にクロさんの執念を背後から感じ、本日反応があったポイントをしつこく狙いました。ただ結果としてはノーバイト。ずいぶん日も傾き、ややスピードを上げて帰ることとしました。帰りながらも気になるポイントはとりあえず投げ込みますが反応なし。ふと、進行方向、川の真ん中に横たわる倒木が気になりデプスチャージをキャスト。バシャ。ヒットまでは至りませんが、久しぶりに反応あり。これが本当のラストチャンス。心落ち着けてもう一度キャスト。狙い通り着地。バッシャ、今度は乗った。型は大きくないものの、最後の最後で出てくれて、サービス精神満点のマーレー君に感謝感謝

 


   車を止めた場所まで帰着したころはすっかり暗くなり、クロさんが「ピーターさんの牧場は広すぎてよく迷う」と言っていた通り、真っ暗で帰り道がわからなくなり、一瞬、「このまま牧場で野宿か?」というハプニングは、ありましたが(もちろんクロさんが何とか帰り道を見つけて事無きを得ました。)、印象深い最終日となりました。

 


   翌日は移動日。9時間のドライブでシドニーへ向かいましたが、ほとんど話しっぱなしで、途中でカンガルーの群れが道を横切ったり、川の中でひっくり返った車を目撃したり、奇麗な景色を眺めたりと、あっという間に到着。久しぶりに見る都会は何となく居心地がしっくりきませんでした。ピーターさん家の晩ごはんはおいしかったのですが、やはり日本人の私としては魚介類が恋しくなり、オーストラリア最後の晩餐はシドニー湾に面し、オペラハウスとハーバーブリッジの夜景が奇麗なシーフードレストランで、今、シドニーに住んでいる友人、クロさんご夫妻とともに、ロブスターや魚をいただきました。メニューにバラマンディがあり、注文しましたが白身でとってもジューシー。今度はこいつを釣りに来ようかな。

 


   その晩はクロさんの家にお世話になりました。翌日は5時に起き、シドニー空港まで送ってもらい、またお土産買いにも付き合っていただき、結局、出発ロビーまで見送っていただきました。 

今回の旅は予想通りあっという間の楽しさでした。これだけ楽しく過ごせたのも、クロさんの細かい気遣いで、何の不自由もなかったことが最大の要因と思われます。私の知る限り、バス釣りのガイドは、バス釣り大好き人間がその延長でガイドをしているため、ガイドが指示する釣りを強いられる場面が多々あります。今回のクロさんガイドは、もちろんご自身、釣りも好きでしょうが、どうしたらお客が楽しんでくれるだろう、というプロフェッショナルの視点でガイド業に徹してくれたお陰で、釣りに関しては押し付けがましいことは一切なく、私にとってはクロさんのガイドはとても新鮮な印象を受けました。

さらに、メールでたくさんやり取りさせて頂いたせいか、初めて会ったとは思えない、まるで友人と釣りをし、旅をしているような感じで、日本にいるときとあまり変わらない、非常にリラックスした旅行が楽しめました。 

最後にまとめとして、今回の釣果。数はまずますも、サイズについてはもう一つ納得していません。(2日半で15匹。サイズは67センチが最大)ということで、次回のオーストラリア釣行では、マーレーの更なるサイズアップを狙うか、新たなターゲット、バラマンディに挑戦するか、現在思案中です。(帰ったばかりですが、すっかり行く気になっています)

   いずれにしろまた、クロさんと楽しい釣りに行きたいと思います。

   クロさんとは、ガイドとお客という関係を超えた楽しい時間を共有でき、本当に感謝しています。また、日本へ来る機会がありましたら連絡ください。ぜひ、一緒に琵琶湖へ行きましょう!

 

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